ユリさんに字を教えてもらうようになって、自分だけでも、簡単な絵本なら読めるようになった頃。

1人で絵本コーナーのソファーに座っていると声をかけられた。

「ねぇ、君名前は何て言うの？」
知らない男の子に声をかけられた。
まるで、絵本から飛び出したようなイケメンだった…

「え？」
「俺は、カケル。料理の専門に通ってて時々勉強しに来るんだ。17才。」

「私は、ユリ。14才…」
言葉につまる、何て言えばいいのかな？

「ユイ。」
お昼間前だから、呼びに来てくれた。
ユリさんの後ろに隠れる。

「カケルくん？」
「ユリさんの子どもさんですか？」
「うん、今預かってるんだ。」