翌日、夏菜子(かなこ)が教室に入ると、

「持田(もちだ)さーん」

友梨(ゆり)がやって来た。

「粋香(すいか)ちゃんが休みなのは、やっぱアレが原因?」

無神経な質問に、イライラしながらも、関わってはいけないと無視をした。

「てかさ、たったの1度、ヤラれただけじゃん!
そんなに落ち込む事?」

友梨の挑発に乗ってはいけないと、我慢していたが、限界だった。

パン…ッ!
教室中に、乾いた音が響き渡る。

「あんた、いい加減にしなさいよ」

友梨を睨むと、夏菜子は教室を出て、純生の教室で、先程の出来事を話した。

「同じ目に遭わせてやろうか」

純生もこれ以上ないくらい、怒っている。

「あたし、もう帰るっ!
純生も帰ろ?
やってらんない!」

夏菜子は、純生の返事も聞かず、純生の手を掴み、学校を出た。