…ビクッ!

嫌な予感がして、凛月(りつき)は思わず、身震いをした。
時計を見ると、夕方の6時を過ぎている。

今日は、重要な職員会議があるとかで、全校生徒は、授業が終わると、速やかに帰宅しなければならないのだ。

だから、普段は部活をしている為、今日は粋香と一緒に帰れるかと期待したけれど、いなかった。

その時は、一緒に帰ろうと、約束をしたわけではないから、もう帰ったのかと思ったが、ふと、本当に、あの時、帰ったのだろうか…?と心配になった。

きっと、この嫌な気持ちも、粋香の声を聞いたら収まるだろうと、粋香の携帯番号へ電話を掛けたが、すぐに留守番電話に接続された。

無機質な、留守番電話の声に、余計に不安になり、純生(じゅんき)に掛けたが、こちらも留守番電話に切り替わった。