アドバイスをしたわけではないけれど、やがて、粋香は笑った。

「わたし、マネージャーになってみる。
考えてみたら、どうしても打ちたくて、入ったわけじゃないから」

それが本心なのかはわからないが、後は粋香に任せて、必要な時に協力してあげたらいいんじゃないかと思った。


-翌日、返事をしに、職員室を訪ねた。
真希は、やはり喜んでくれた。

「あの…マネージャーになったら、ボールを投げる事も、打つ事もなくなるんですよね…」

意を決して、訊ねると、

「あははっ!
今までと同じだよぉ?
昨日も言ったけど、わたしがあなたを、マネージャーに誘ったのは、あなたならマネージャーの仕事をきちんとしてくれると思ったから。
選手として、必要じゃなくなったからじゃない」

まるで、昨日の、凛月との会話を聞いていたみたいに、粋香の悩みを解決してくれた。