粋香(すいか)が、ソフトボール部に入部し、2ヶ月程が経ったある日、粋香は、ソフトボール部顧問の岸田 真希(きしだ まき)に呼ばれた。

「…え、わたしがマネージャーに…?」

粋香は、マネージャーではなく、あくまでも部員として、入部したし、これからもそのつもりでいた。
だから、いきなりマネージャーにならないかと言われ、戸惑った。

「この前、1年全員に、スコアブックを書いてもらったでしょ?
その時、あなたが1番、書くのが上手だったし、ルールも理解出来ていたから」

だけれど、粋香の戸惑いなどよそに、真希は話を続けた。

「あの…でも、急には…」

「わかった。いい返事を待ってるからね」

職員室を出てすぐに、溜め息をつくと、

「暗い顔して、どうした?」

凛月が、階段から降りて来て、心配そうに粋香を見た。