「お!イケメン」

夏菜子が凛月に反応する。

「ね、あんた、名前は?」

凛月が自分の名前を言うと、

「あんたが『りつ』かあ…。
幼なじみの尻に敷かれてるって有名だよ?
イケメンなんだから、もっと堂々としてなきゃ」

夏菜子は、凛月の名前を知っているらしく、友梨との関係に突っ込む。

「余計なお世話だよ!
…すみません」

純生は慌てて、凛月に謝り、

「あんたはすぐ人に絡む!
もう、しばらく炭酸飲料は禁止」

「えー、そんな殺生な」

「ほら、帰るよ!」

まるで、引きずるようにして、夏菜子を連れて、帰って行く。

「純生の意地悪!
イケメン君に自己紹介させてよ!」

「あんたみたいな騒がしいヤツ、Googleで検索すればイッパツなの」

「Googleで、一般人は検索されません!」

「あー、もううるさい」

騒がしい声が、こちらにも聞こえてくる。