高校生になっても、学校にこそ来るが、凛月は、心ここにあらず、と言う感じで、ぼんやりと毎日を送っていた。

一方、友梨は、数ある部活の中で、大きな声で目立つ、ソフトボール部に所属した。

1年生は、ほとんど球拾いだけれど、打たせてもらうと、とても気持ちが良くて、スカッとした。
上下関係が厳しいが、友梨なりに部活動を楽しんでいるようだ。

ある日、友梨が帰り支度をしていると、

「ソフト部に入ったんだって…?」

何故か、不機嫌そうに、凛月がやってきた。

「うん、だって楽しいよ?
ストレス解消にもなるし。
りつももう一度、サッカー部に入ってみたら?」

サッカー部と聞き、凛月は友梨を睨む。

「サッカーは大嫌いだ。
俺は部活はしない」

静かに、だけれど、ハッキリとした口調で凛月は言う。