-GW明け
まだ休んでいたいと思う身体に鞭を打ち、純生(じゅんき)は身体を引きずるようにして学校に向かう。

すると、

「なーにそれ?」

あきれたような声が、後ろから聞こえる。

…夏菜子(かなこ)だ。
夏菜子とは、中学生の頃から付き合っている、純生の彼女だ。
胸の辺りまで、真っ直ぐ伸ばした、茶色の髪の毛に、可愛らしい顔立ち。
中学生まで運動部に所属していたから、細いけれど、少し筋肉質な足。
何事にも正直な性格なのだが、暴走するところがたまに傷。

「…おはよ」

「後ろ姿が完全にオジサンだよ!
ほら、しっかり!!」

夏菜子は、純生の背中を叩く。

「痛てぇよ、この馬鹿力!」

「女の子に、馬鹿力はないでしょう?
これでも、手加減してます」

夏菜子は舌を出す。