-川原に降りる階段に腰掛けながら、

「…やだ」

まるで、子どもがイヤイヤをするように、頭を横に振りながら、

「りっちゃん、わたし、家に帰りたくないよ…」

茜里(あかり)は、凛月(りつき)を見た。
その目は涙で潤んでいる。

…ああ、また、この夢か…。

うんざりしながらも、凛月は今日も、同じ夢を見る。
あの日の、後悔だらけの出来事を…。