《美咲side》
スマホが微かに震え、私は目を覚ました。

「ん…」

どうやら、寝落ちしてしまっていたらしい。

チャット上では、吹き出しの羅列が私を呼んでいる。

『美咲~?』
『まさかの寝落ち?』
『一番に寝落ちした人はプリン奢りですよー』
『美咲ーー』
『起きろ』

「…はぁ…」

面倒くさい。

それでも私がこのグループに入っているのは、あの人がいるからだ。

鈴石 瞬斗

私の好きな人。

でも、流石にもう眠い。

もういいか。プリン奢りくらいどうってことない。

そう思って、私は[北里中1年]のグループチャットを
閉じた。

と、その時、私は個人チャットにメッセージがきているのに気がついた。

柳原 近江

仲のいい私たちのグループの一人。

私とも結構仲がいい。

「どうしたんだろ?」

私は個人チャットを開いた。

その次の瞬間、私は目を見張った。

『いきなりでごめんね。好きです。付き合ってください!』

は?

思考が停止した。