「昔、お母さんが入院した時に
瞳はモモちゃんに願掛けをしてたんだって、
お父さんが話してくれたの。
お母さんは、それが嬉しくて嬉しくてね。
瞳のおかげで頑張れたのよ!」

あ、思い出した。
スーパーの近くで事故に遭った時よね?


そう、あの時私はモモちゃんに
お母さんを助けて欲しいとお願いした。



「覚えてないでしょうね?
本当に小さかったから」


「覚えてるよ!小さかったなんて…
成人する前の話でしょ?」


「違うのよ、その時じゃなくて
瞳が小学校に入学する前に脳に癌が見つかってね、難しい場所だから手術は出来ないと言われていたの。
見つかったのは、そんなに手遅れではなかったけど余命宣告もされててね。
1年頑張れたら奇跡だとも言われてたのよ」



え?知らない話。
お母さん、そんなに体調悪かったの?
まさか?癌が見つかってたなんて…

私がそんな小さい時だったなんて
置いていく側からしたら本当に辛かったでしょうね。

そして、何より
今はすごく元気で良かったわ。