「瞳、準備出来たか?」

守が仕事から帰宅し
瑠璃の着替えを取りに帰った
私を迎えにきたようだ。



「うん、もう行けるよ」

泣き顔で会うのを避けるため
急いで顔を洗って守の車へと向かった。



「大丈夫か?」
守が私を覗き込む。




泣いてたの気づかれちゃったかな?


「顔色悪いぞ?
疲れが溜まってるんじゃないか?
今日は家でゆっくりしてなよ。
俺が瑠璃の所に泊まるから」




「大丈夫だよ、今顔を洗ったから
お化粧がとれただけ」


と、言いながら
バックミラーで自分の顔をみた。



なに?これ…


眼の下にはどす黒いクマが出来て
頬はゲッソリしていた。

思わず顔を手で覆った時に
自分の手に違和感を感じた。



指輪がない!



「あれ?可笑しいな。
指輪外した覚えないのに、なくなってる」


指輪がはまっていたはずの指を
もう片方の手で撫でた。


また、細くなってる…


私、どんどん痩せてきてる。



「やっぱり、少し休んだ方がいいよ」
守は、そう言うと私を抱きかかえて
玄関へと連れ出した。