結婚してからすぐに
待望の赤ちゃんが我が家にもやってきた。


クリクリの目をした可愛らしい女の子
名前は「瑠璃」と名付けた。


私は会社を退職して
子育て業に専念することにした。


守と瑠璃と私の
3人家族の生活はとても幸せなで
毎日が過ぎるのが早かった。


もうすぐ七五三。
瑠璃の3歳のお祝いが待ち遠しかった。




七五三のお祝いの1週間前
その日は突然訪れた。



「瑠璃!瑠璃!」

突然の高熱、
それは何日も続いた。

私は
毎日往復での看病に疲れ切っていた。


そして今日も
自宅へ瑠璃の着替えを取りに帰る。


瑠璃の部屋で洋服をカバンに詰めていた時
七五三で着るはずだった瑠璃の着物が
目に入った。



「瑠璃」



こんなに毎日毎日
高熱が続いて…
どうにかなってしまったら…


そんなことばかり頭をよぎる。



瑠璃のベッドに倒れこんだ瞬間
足元に何かが触れたのが一瞬でわかった。



熱い‼︎



「やだ!熱いっ!」


咄嗟に足を退かすと
そこにはモモちゃんがいた。



「モモちゃん」


恐る恐る触ると、
さっきまで感じた熱さは
モモちゃんのものではないことが
すぐにわかった。



安心して両手で抱きかかえた。



モモちゃん、助けて!
私の瑠璃を助けて!





しばらく忘れていた
何かを思い出させた。