山本 凛side


怒られるとは分かっていながらも、1人で買い物に言った帰り道、暗い路地裏から呻き声が聞こえた。

危ないから近寄るなとは言われているけども、気になってしまうのが人間。
興味本位でチラリと除く。

暗くて見えにくいが、人影のような物が壁にもたれ掛かって空を見上げていた。

1歩、路地裏へ足を踏み入れてみる。


「はぁ...はあ、くそ」

男の、人?
もう1歩人影へ近づくと、目が暗闇に慣れてその人物がはっきりと見えた。
男の人が壁にもたれ掛かり、苦しそうに息をしている。

もう、考えてる暇は無かった。
すぐに駆け寄り、大丈夫ですか?と声をかけた。

彼は目を見開いた後、ニッコリと笑って


「だいじょーぶデス」

と答えた。

いや、大丈夫じゃないでしょ?!
血、滴ってるし。辛そうだし。
ああ、何でだろう涙が出てきた。

苦しそう、どうしたらいいんだろう。
あ!!!家!あそこに連れていこう、怒られるだろうけどこの人助けなきゃ。


「取り敢えずこれ使ってください!!」


役に立つとは思っていなかったけどハンカチと絆創膏を差し出し、男の子の前に屈む。
男の子は少し不思議そうな顔をして、首を傾げた。

綺麗な、赤髪だなあ。


「あ!乗ってください」


「...は?」


「あ、いや、怪我してるからおんぶです!乗ってください!」

はやく!と急かすが、全く乗ろうという気配はなく、なんで?と後ろを振り向く。





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