男の人を家にあげても大丈夫かなって怖い気もするけど、今はこの人がもう倒れないようにしないとね!


「僕のこと家にあげてもいいの〜?」


また後ろから呑気な声がしてきた。


「大丈夫です!!」


根拠はないけど、なんだかそう思えた。

お兄さんは、ふーんとだけ言って私の後ろに着いてきて家に上がった。


「…きみさ、一人暮らしなの?」


部屋をキョロキョロ見渡してそういうお兄さん。


「あ、はい。両親はどこかへ言っちゃいました!」


そう、私は捨てられた。
ニコニコと笑ってお兄さんに言ったけど、ほんとは笑ってられないくらい辛くて苦しい。


「君は、嘘が下手だね」


そう言ってお兄さんは笑いながら私の頭を撫でた。

いつぶりだろうか。誰かに撫でられたのは。懐かしいような感じもする。


でも、私は泣かないよ。
泣かないってあの日誓ったから。