「そんな風に言ってもらえて……恐縮です」
地元を離れ、生きる糧に書いてきた。
だから尚更だ。湖陽さんの気持ちが嬉しい反面、こそばゆい申し訳無さが込み上げる。
清涼とした滝の音を聞きながら、湖陽さんと肩を並べ滝を見つめていると、「あのぉ」と背中の方から声がかかる。
湖陽さんと揃って振り向くと、マイクを持った綺麗な女性が立っていた。
「突然すみません」
女性は湖陽さんの顔をマジマジ見つめ、「うわぁ、すっごいイケメン!」と声を上げた。
「おっ、いいじゃん。このカップルに話を聞こう!」
今度は男性の声だ。それとは別にもう一人、二人の男性がこちらに向かって歩いて来た。一人は立派なカメラを担ぎ、もう一人はハンチング帽を被った髭の男性だ。
「お寛ぎのところすいません」と髭の男性が胸ポケットから名刺を取り出した。
「ご利益テレビのプロデューサー水谷と申します」
ご利益テレビ……と怪訝な顔で、湖陽さんが受け取った名刺を横から盗み見する。
地元を離れ、生きる糧に書いてきた。
だから尚更だ。湖陽さんの気持ちが嬉しい反面、こそばゆい申し訳無さが込み上げる。
清涼とした滝の音を聞きながら、湖陽さんと肩を並べ滝を見つめていると、「あのぉ」と背中の方から声がかかる。
湖陽さんと揃って振り向くと、マイクを持った綺麗な女性が立っていた。
「突然すみません」
女性は湖陽さんの顔をマジマジ見つめ、「うわぁ、すっごいイケメン!」と声を上げた。
「おっ、いいじゃん。このカップルに話を聞こう!」
今度は男性の声だ。それとは別にもう一人、二人の男性がこちらに向かって歩いて来た。一人は立派なカメラを担ぎ、もう一人はハンチング帽を被った髭の男性だ。
「お寛ぎのところすいません」と髭の男性が胸ポケットから名刺を取り出した。
「ご利益テレビのプロデューサー水谷と申します」
ご利益テレビ……と怪訝な顔で、湖陽さんが受け取った名刺を横から盗み見する。



