「湖陽さん、その昔話、もっと詳しく教えて下さい!」
「って言われても……かなり前に聞いた話だし……」
あっ、と湖陽さんが笑みを浮かべる。
「帰りに太田さんの所に寄ろうか?」
ナイスアイデア、とコクコク何度も頷き賛成する。
「そうですね、太田のおじいちゃんに直接聞いた方がより詳しく聞けますね」
もう、ワクワクが止まらない。
メジャーな昔話ではなく、マイナーな昔話は意外に知られていないだけで各地にかなりある。私は幾度かそれをネタに作品を作ったことがある。
ネタだネタだ、と嬉々とする私を、湖陽さんは目を細めながら見遣り、ポツリと言った。
「君にとって作家という仕事は天職なんだろうね……羨ましいよ」
「――天職と思って頂けたなら嬉しいです。私って他に何もできないし……」
フッと自虐的に笑うと湖陽さんが怒ったように眉を顰めた。
「自分を卑下するような言い方は好ましくないよ」
いつになく厳しい声だった。
「って言われても……かなり前に聞いた話だし……」
あっ、と湖陽さんが笑みを浮かべる。
「帰りに太田さんの所に寄ろうか?」
ナイスアイデア、とコクコク何度も頷き賛成する。
「そうですね、太田のおじいちゃんに直接聞いた方がより詳しく聞けますね」
もう、ワクワクが止まらない。
メジャーな昔話ではなく、マイナーな昔話は意外に知られていないだけで各地にかなりある。私は幾度かそれをネタに作品を作ったことがある。
ネタだネタだ、と嬉々とする私を、湖陽さんは目を細めながら見遣り、ポツリと言った。
「君にとって作家という仕事は天職なんだろうね……羨ましいよ」
「――天職と思って頂けたなら嬉しいです。私って他に何もできないし……」
フッと自虐的に笑うと湖陽さんが怒ったように眉を顰めた。
「自分を卑下するような言い方は好ましくないよ」
いつになく厳しい声だった。



