「流石、作家。いろいろ良く知ってるね」
「広く浅くですが」
フフンとちょっと得意げに鼻を高くする。そして、そのまま肺いっぱいに空気を吸い込み吐き出した。
すると、体の中の汚いモノが出て行き、心身共に浄化され綺麗になった気になった。
「気持ちがいいですね」
「うん、そうだね」
湖陽さんと並んで滝を見ていると、湖陽さんがおもむろに言う。
「この滝の水は湖の水になるんだよ」
なるほど、あの川の行き着く先は湖だったのか。
「じゃあ、湖自体が恋愛成就スポットじゃないですか」
「――そう言えば……」
湖陽さんは何か思い出したみたいに、フッと笑みを浮かべた。
「これは太田さんから聞いた昔話なんだけど」
太田のおじいちゃん? 何だろうと耳を澄ます。
「愛恋の滝は実は雄滝で、失った恋人を探し求めて彼が行き着いた先が湖だったんだって。そこで二人は再会して、末永く幸せに暮らしたとさ、めでたしめでたしって話し。今はもう、この話を知っている人は少ないんだって」
話の内容は端折っているが、そんな秘めた物語があの湖にあったのかと感動を覚える。
「広く浅くですが」
フフンとちょっと得意げに鼻を高くする。そして、そのまま肺いっぱいに空気を吸い込み吐き出した。
すると、体の中の汚いモノが出て行き、心身共に浄化され綺麗になった気になった。
「気持ちがいいですね」
「うん、そうだね」
湖陽さんと並んで滝を見ていると、湖陽さんがおもむろに言う。
「この滝の水は湖の水になるんだよ」
なるほど、あの川の行き着く先は湖だったのか。
「じゃあ、湖自体が恋愛成就スポットじゃないですか」
「――そう言えば……」
湖陽さんは何か思い出したみたいに、フッと笑みを浮かべた。
「これは太田さんから聞いた昔話なんだけど」
太田のおじいちゃん? 何だろうと耳を澄ます。
「愛恋の滝は実は雄滝で、失った恋人を探し求めて彼が行き着いた先が湖だったんだって。そこで二人は再会して、末永く幸せに暮らしたとさ、めでたしめでたしって話し。今はもう、この話を知っている人は少ないんだって」
話の内容は端折っているが、そんな秘めた物語があの湖にあったのかと感動を覚える。



