「そういうわけで、たまたまこの地に来たんですが、今はこの地に来たのは必然で、運命だった思っています」
「それは僕と会えたから?」
「湖陽さん、罪なき顔でそういうこと言わない方がいいですよ」
小さく睨み、説教する。
「イケメン顔でそんな甘い台詞、罪です。勘違いされ、迫られ、結婚させられても文句は言えませんよ」
本当にイケメンって奴は……タチが悪い。
「――僕は岬さんなら勘違いされてもいいけど」
ほら、こんな突拍子もない発言もサラッと言っちゃったりするんだから……本当、溜息ものだわ。
「私相手に、つまらぬ冗談は止めて下さい」
「冗談じゃないのに……」
「あのですね、私が運命だと思ったのは、この風景です」
窓の外を思い切り指す。
「本当なら、癒される資格などない私ですが、やっぱり、仕事の疲れは取りたいです。この風景は私の回復剤みたいなもので、そういうものに出会えたのは奇跡と言おうか、とにかく幸せなんです」
そうなのだ。もう一生、『幸せ』などという言葉を使うことはないだろうと思っていたのに、この風景に出会い、幾度幸せを感じたことか。
「それは僕と会えたから?」
「湖陽さん、罪なき顔でそういうこと言わない方がいいですよ」
小さく睨み、説教する。
「イケメン顔でそんな甘い台詞、罪です。勘違いされ、迫られ、結婚させられても文句は言えませんよ」
本当にイケメンって奴は……タチが悪い。
「――僕は岬さんなら勘違いされてもいいけど」
ほら、こんな突拍子もない発言もサラッと言っちゃったりするんだから……本当、溜息ものだわ。
「私相手に、つまらぬ冗談は止めて下さい」
「冗談じゃないのに……」
「あのですね、私が運命だと思ったのは、この風景です」
窓の外を思い切り指す。
「本当なら、癒される資格などない私ですが、やっぱり、仕事の疲れは取りたいです。この風景は私の回復剤みたいなもので、そういうものに出会えたのは奇跡と言おうか、とにかく幸せなんです」
そうなのだ。もう一生、『幸せ』などという言葉を使うことはないだろうと思っていたのに、この風景に出会い、幾度幸せを感じたことか。



