ただ無言で更衣室に戻り、無言で着替える。
気がついたら涙が流れていた。
この午後の種目だけは決勝に進みたかったのに……!
あの時飛び込みが甘かった。あの時加速をすればよかった。あの時疲れに勝てればよかった。
そんなことばかり頭をよぎる。
その時、携帯のバイブ音が聞こえた。
私の帰りが遅いから瞳が心配して連絡してきてくれたのだろうと思い、開くと、そこに表示されている名前は、瞳ではなく小川だった。
「惜しかったね。お疲れさまでした。」
この二言に私はまた涙が止まらなくなった。
小川らしい二言だ。
見ていてくれたことも嬉しかった。
もし私が決勝まで進めたら、小川はどんな言葉をかけてくれるのだろうか。
ふとそんなことを考えた。
よし、頑張ろう。
急に元気が湧いてきた。
小川に見てもらいたい。私の頑張る姿を。
小川を見たい。小川の頑張る姿を。
ただただ、そう思った。

