6月の終わり頃、俺は私立水崎王城学園に転入してきた。


なぜ、こんな中途半端な時期に転入してきたのかというと、俺が前の高校で暴力事件を起こし、水崎の理事長が叔父さんだからだ。まぁ、丁度よかった。



学校のなかに入ってちょっとすると理事長室があった。



コンコン



「よぉ、涙希。久しぶり。」



「おい、呼び捨てにすんな。仮にもお前の叔父さんだぞ?」



仮にもってなんだよ。



「今更かよ。この学校のOBだぞ?」



「そうなんだけどぉ・・・。って、OB だからだろ?」



「そうなんだけどさ・・・って、いいだろ?」



「お前はなんでもめんどくさがりすぎ。」



んだよそれ。別にいいだろ?



「水崎に来たからにはしっかり授業受けてもらうぞ?」



「は?やだよ。めんどくせぇもん。それに、時間いいのか?」



「大丈夫だ。」



「…?」



意味わかんねぇ。



ってかなんで授業受けなきゃなんねぇんだよ。ここ私立でも不良高だぞ?



ガチャ



あ、だれか来た。



「涙希。今日、転入生の顔合わせって聞いたけど?」



誰だ?厘(りん)?



「え?涼さんですか?」



「厘?」



厘だよな。久し振りに会った。



「涼さん!涼さん!お久し振りです!」



厘に、耳と尻尾がピンッっとたってる感じがする。