スタディ・ベイビー

「嘘……もしかして誕生日プレゼント?」


大声を張り上げると、篠宮くんが立ち止まって振り返った。


そしてクスッと鼻で笑うと


「さあ?」

と首を少し斜めに傾けてから、また背を向けて歩き出した。


「ちょ……ちょっと待ちなさいよ!」

「待てって言われて待つ馬鹿はいないよ」

「待ってってば!」


曲がり角に差し掛かる少し手前で篠宮くんの腕を掴むと、私はその前方に回り込んで紙袋を彼の胸元に押し当てた。


「こんなのもらう覚えないし!」

「タダなんだから深く考えずに受け取っとけばいいじゃん」

「そういう問題じゃない!プレゼントなんて、一体どういう気紛れ?!」

「高城さん、言ってることと思ってることが違ってるよ」


篠宮くんはじっと私の顔を見つめてから、口元を緩める。