「はぁ……何でまたこうなっちゃうんだろう」

上手くいかない恋に、思わず重いため息が零れた。

いつも私の気持ちばかりが大きすぎて、相手にはそれが重く感じてしまうのかも……

恋愛に不向きな体質とは、私みたいな人のことを言うんだろうな……。


「高城」


物想いに更けていた時、誰かが大声で私の名前を呼んだ。

振り返るとクラスメイトの男子が手をヒラヒラさせながらこっちを見ていた。


「ちょっと来て」

そう言われて向かうと、そこにはドアに隠れて見えなかった別の男子がいた。


この人、確か女子の間で“爽やか王子”って言われている篠宮 環(シノミヤ タマキ)――…


「何か用?」

冷めた口調で訊ねる。