――――ピピピピッ、


着信音が鳴り、携帯を開くと


“さっき言い忘れた。誕生日おめでとう”

というお祝いのメールが枢から届いた。


「枢ってば毎年毎年律儀だな」


男であたしの誕生日を祝ってくれるのは、きっと枢ぐらいだ。

私は“ありがとう”とひと言返信すると、そのまま静かに目を閉じた。


―――――――…


「お姉ちゃーん、ご飯の時間だよー」

「ん……」


ドアの向こう側から聞こえてきた愛美の声で目を覚まし、時計を見る。


どうやら、あれから1時間程寝ていたみたいだ。


“ふぁ~”と欠伸を一つ。


「制服のまま寝ちゃった……」


ベッドから起き上がり、制服を脱いで部屋着に着替える。

それからドアを開けると、当然愛美はもうリビングに降りて行ってしまった後だった。

半分寝ぼけたまま階段を下り、リビングへと向かう。