――ブーブッ、


『お疲れさま。』


篠宮くんから来たメッセージを無言で見つめる。


「篠宮くん?彼らしいね」


こっそり覗き見していた里乃が笑う。

普通の文なのに、胸がキュンとなる。


こんな風にメールひとつで胸が高鳴るのは、生まれて初めてだ。


篠宮くんのメッセージに対して

『今日の数学、自信ないから結果が戻って来るまで採点しないようにする』

そう返信した。