――――――…


始業チャイムが鳴り、一時限目の試験が始まった。


最初は国語。

配られた問題用紙に一通り目を通していく。


“まず最初はいきなり問題を解くんじゃなくて、こまなく問題を全部確認して出来そうなところから手をつけること”


篠宮くんの教え通りにすると、一番簡単な漢字の読み書き問題から手を付け始めた。


(……あ、この問題)


最初の問題を終えて次に古典の問題に取りかかろうとした時。


放課後のスパルタ教育で嫌と言うほど覚えさせられた用語がズラリと並んでいるのを見て、思わずガッツポーズ。


終了時間10分前に、全ての解答を終えた。


それから英語、社会――…

と試験が続き、慌てることなく冷静に、慎重になって問題と向き合った。


自分でも信じられないほど、どんどん解答用紙を埋めることが出来て、テスト初日を終えた瞬間、思わず笑みが零れた。