スタディ・ベイビー

「だったら、さっさと始めんぞ」


隆臣は自分の勉強机の棚から参考書を何冊か持ってくると、それを乱暴にテーブルの上に置いた。


「うわ、何これ」


パラパラと捲りながら中を見ると、水色のマーカーがどのページにも引かれていた。


そして、貼られている付箋はヨレヨレになっている。

篠宮くんも同じようにマーカーや付箋使ってたっけ……


「ていうかコレ、高校受験用の参考書じゃん!」

「受験の時、それ使ってたから。その参考書、基礎とか全部載ってるから結構いいぞ」


やっぱり頭のいい人は見えない所で、ちゃんと努力してるんだ……


「隆臣って勉強家なんだね」

「人を見た目だけで判断すんなや」

「誰も見た目で判断なんてしてないじゃん!ていうか、アンタも噂だけで人のことを判断しないでくれる?」


過去のことを掘り返して言うと、隆臣は丸めた参考書で私の頭を軽く叩いた。


「痛いな、何すんの」

「――――悪かったな」

「え?」


突然謝られ、それまでツンとしていた私は拍子抜けする。