「初めまして、高城千咲です」

「初めまして。隆臣の母です」

「えっ、お……お母さん?!」


少し緊張しながら挨拶した私だったが、“母”と聞いて、思わず目を凝らした。


「てっきりお姉さんかと……」


どう見ても若い……

20代後半ぐらいだと思っていたから、開いた口が塞がらない。


「あらまあ、お世辞がお上手ね。ゆっくりしていってね」


嬉しそうに微笑むと、ウエーブがかかった綺麗な髪の毛を靡かせて台所に戻っていった。


「挨拶は済んだし、部屋行くぞ」


隆臣は半ば強引に手を引いて、二階に上っていく。

そして一番奥の部屋のドアを開けると、カーテンを閉めてから部屋の明かりをつけた。


「適当に座れ」

「う、うん」


部屋のど真ん中に置かれたテーブルの前に座ると、持っていた荷物を床に置く。


部屋は意外と綺麗に整理されていて、本棚には少年漫画がズラリと並んでいた。


テレビ台にはゲーム機とたくさん積まれたゲームソフトの外箱。

隆臣って漫画とゲームが好きなんだ。