「……っ」
無意識のうち、私は学校へと引き返していた。
そしてその足で向かった先は花壇の手入れをしている用務員のおじちゃんの元。
「おじちゃん!」
息を切らしながら呼ぶと、おじちゃんは顔をあげてこちらを向いた。
「花、貰いに来た!」
「準備してあるよ、ちょっと待っててな」
おじちゃんは“よいしょ”と言いながら腰を上げると、
用務員室へと入っていき、片手に新聞紙で包めた花束を持って戻ってきた。
「家に帰ったらすぐに花瓶に挿してあげるんだよ」
受け取った花束を見ながら、唯くんの言葉を思い出す。
「どうしたんだい?」
「この向日葵って篠宮環のなの?」
「ああ、そうだよ。私が次に何を植えようか考えていた時、篠宮くんがちょうど“是非これを植えてください”と言って種を持ってきたんだよ」
おじちゃんはそう言ってポケットから何かの袋を取り出した。
それは、篠宮くんの実家の花屋の店の名前が印字された向日葵の種の入った袋だった。
無意識のうち、私は学校へと引き返していた。
そしてその足で向かった先は花壇の手入れをしている用務員のおじちゃんの元。
「おじちゃん!」
息を切らしながら呼ぶと、おじちゃんは顔をあげてこちらを向いた。
「花、貰いに来た!」
「準備してあるよ、ちょっと待っててな」
おじちゃんは“よいしょ”と言いながら腰を上げると、
用務員室へと入っていき、片手に新聞紙で包めた花束を持って戻ってきた。
「家に帰ったらすぐに花瓶に挿してあげるんだよ」
受け取った花束を見ながら、唯くんの言葉を思い出す。
「どうしたんだい?」
「この向日葵って篠宮環のなの?」
「ああ、そうだよ。私が次に何を植えようか考えていた時、篠宮くんがちょうど“是非これを植えてください”と言って種を持ってきたんだよ」
おじちゃんはそう言ってポケットから何かの袋を取り出した。
それは、篠宮くんの実家の花屋の店の名前が印字された向日葵の種の入った袋だった。

