「切ない顔なんかしてない」

「千咲さんって嘘吐くの下手だって言われませんか?」


唯くんは一切の遠慮もなく、思ったことをズバズバと口にする。


「唯くんって篠宮環と性格はソックリだね」


私はそう言って、彼の隣りのブランコに腰を下ろした。


「……アイツが一体何を考えてるのか分かんない」

「何って?」

「アイツの今までの優しさは本当の優しさじゃない。 ……ただの同情だったんだなって」


可哀想な奴を放っておけない。

困っている人が居たら助けずにはいられない。


篠宮環はそういう人間なんだ――…



「千咲さん、兄貴のことちゃんと見てます?」

「え?」


彼の言葉に首を傾げる。