スタディ・ベイビー

「はあ……」


何かダサすぎ……

あんな風に勉強ひとつで自分が熱くなるなんてあり得ない。


「千咲さん!」


溜息漏らしながら帰り途中の公園に差し掛かった時だった。

その公園のど真ん中に設置された子供用の滑り台のテッペンで、戯れている数人の中学生たち。


その中にいた彼が私に気付いて名前を叫んだ。


「……唯くん?」


呼ばれて彼らに近づいていくと、唯くんは滑り台を滑って下へと降りてきた。


「また会いましたね」

と彼はニッコリと微笑む。


その瞬間に、篠宮環の顔が横切った。

唯くんは何も悪くないのに、今は彼と話したくない、会いたくない、そう思ってしまう。


「唯、誰だよその人?」

「まさか二股か?!」


見ず知らずの私に、唯くんの友達が興味深そうに滑り台の上から私達を見降ろす。


「ちげぇよ、彼女のお姉さんだよ」


唯くんはそう答えると、また私の方を向いた。