スタディ・ベイビー

「本当に?」

「嘘なんてついてない」


私を見つめる彼の視線が少し和らぐ。


「そっか……なら良かった」

「え?」

「――いや、こっちの話」


篠宮くんはボールペンを取り出すと、ひとつひとつチェックを入れていく。


“良かった”ってどういう意味?

今のは明らかに――…


――ガラガラッ、


隣りに座りながら彼のチェックが終わるのを待っていると、突然図書室のドアが開いた。


「え?何しに来たの?」


そこに立っていたのはさっき別ればかりの隆臣だった。

驚きながら目を丸くすると、隆臣はズカズカとスリッパを鳴らしながらこっちに近づいてきた。


そして目の前までやってくると、その視線を篠宮くんへと向けた。


「篠宮」

と少し強めの口調で名前を呼ぶ。