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「ふぅ……疲れた」


学校の正門をくぐり抜け、下駄箱のある方に向かおうとした時。


「高城さん、今日も遅刻かい?」


誰かに呼び止められ、声がした花壇の方に視線を向けると、そこに座っていたのは用務員のおじちゃんだった。


入学した当初から、おじちゃんとは大の仲良しだ。


「うん、遅刻!昨日なかなか寝つけなくてさ」


花壇を挟む形でおじちゃんの向かいに座り込む。


「それよりおじちゃん、凄いねこの量!」


花壇一面を覆った向日葵を目の前に、感動の声を上げる。


「春先から種を植えてたからね。まさかこんな大きな花が咲くとは驚いたがね」


そう笑いながらおじちゃんは水道の蛇口を捻り、持っていたホースから水をまき始めた。


「向日葵、私が好きな花の一つなの」


夏の花を代表する向日葵。

いつも太陽に向かって顔をあげて、気持ちよさそうに光を浴びている。


小さい頃に親の実家へと連れて行ってもらった時、近くにあった向日葵畑を思い出す。