隆臣と会話を交わしていると、それをずっと黙って聞いていた篠宮くんが口を開く。


「んあ?何だよ」


隆臣は首を傾げながら篠宮くんに聞き返す。


「二人ってどういう関係?えっと……隆臣、さんでしたっけ?確か転校生でしたよね?」

「ああ、そうだけど?」


篠宮くんの言葉に頷くなり、隆臣はグイッと私の肩を抱き寄せた。


「ちょっ……何……」

「俺ら、こういう関係なんだ」

と面白げにニヤリと笑う。


「フザけんなあっ!誰がアンタと付き合うか、阿呆!」

「んだよ、千咲。照れてんのか?」

「これの何処が照れてるっつーのよ。アンタの目は節穴かーっ!離れろっ!」


腕から離れようともがいても、隆臣はそれを面白がって離そうとしない。


「――離せよ」


……えっ。

次の瞬間、篠宮くんのものとは思えない、凄まじい声が隆臣へと向けられた。