「この場合、ケースは3パターンある。その1は二人がくっついて終わり。その2は千歳が浄化されて終わり。その3は千歳と鳴海君がくっついて終わり。さてこの中で一番、鳴海君にとって不都合なのはどれか?さっき立場がないと言っていたから、1だなぁ…酒飲んでるから本音が出たかな?」

「…つまり、あなたは最初から私をけしかけたかったと…」

「かもなぁ…今日、鳴海君を見ててそう思った。でもきっかけがないと君は動かないタイプと見たねぇ…平和主義?」

「…失礼ですが、大学は心理学か何かを?」

「いや〜?音大のクラリネット科だった」

「私が千歳をどう思っているかは置いといて、面白い見解ですね。それにたいした策士だ…お仕事は何を?」

「花道の家元、師範代…」

「それはもったいない、経営者向きですよ桂木さん。私が保証します」

「あははは…考えておこう、鳴海君も向いてるんじゃない?」

「私は経営コンサルタント止まりですよ」

「なるほど…では千歳の幸せ計画を依頼しよう…何かあったら、このアドレスに報告してくれたまえ」

「承りました。ではいつ実行しますかね?社長」

「そうだなぁ、花園のスケジュールが…」

意気投合した二人は、綿密な計画を立てはじめた。

そんな事は夢にも思わず、千歳と花園はスヤスヤと幸せそうに寝息を立てて、眠り続けていた。