いるハズはないと分かっている…とっくに店は閉まっている時間だ。腕時計を見ると11時近くを指していた。
灯りがついていた…一週間ぶりに見るその建物は闇の中でポツンと光っていた。タクシーからそれを見つけて店の前で下ろしてもらう。
なぜかその灯りを見てほっとしてしまった。ただ、それだけの事…
しかし、一体こんな時間まで何をしているのだろう?店に近づいて中をのぞいてみるとカウンターの中で、こちらに背を向けて千歳が一人立っていた。
鍵が閉まっていたので、クローズの看板がかかっているガラスの扉をノックしてみる。ビックリしてふり向いた千歳が、あわててこちらにやって来た。
「鳴海?!どうしたのこんな夜中に…っていうか休みは明日までじゃなかったっけ?」
「思いのほか早く片付いたんだよ…そっちこそ何してるの?」
鍵を開けてもらい店の中に入ると、甘いバターの焼ける良いにおいがした。
「ちょっと新商品の試作を作ってたら、こんなにかかっちゃって。そーだ、味見してかない?」
何品かカウンターの上には、美味しそうに焼かれた焼き菓子がのっていた。
「よろこんで…」
カウンター席につくと千歳が紅茶をいれながら、カウンター越しに話しかけてきた。
灯りがついていた…一週間ぶりに見るその建物は闇の中でポツンと光っていた。タクシーからそれを見つけて店の前で下ろしてもらう。
なぜかその灯りを見てほっとしてしまった。ただ、それだけの事…
しかし、一体こんな時間まで何をしているのだろう?店に近づいて中をのぞいてみるとカウンターの中で、こちらに背を向けて千歳が一人立っていた。
鍵が閉まっていたので、クローズの看板がかかっているガラスの扉をノックしてみる。ビックリしてふり向いた千歳が、あわててこちらにやって来た。
「鳴海?!どうしたのこんな夜中に…っていうか休みは明日までじゃなかったっけ?」
「思いのほか早く片付いたんだよ…そっちこそ何してるの?」
鍵を開けてもらい店の中に入ると、甘いバターの焼ける良いにおいがした。
「ちょっと新商品の試作を作ってたら、こんなにかかっちゃって。そーだ、味見してかない?」
何品かカウンターの上には、美味しそうに焼かれた焼き菓子がのっていた。
「よろこんで…」
カウンター席につくと千歳が紅茶をいれながら、カウンター越しに話しかけてきた。


