告白の時間

「私以外でよければ、行き遅れた責任は取りますので…まずは榊さんなんてどうですか?」

キッと顔を上げた切れ長の目がさらにつり上がり、綾子さんにニラまれる。

「よけいなお世話よ!まずは榊さんとか、手近な所を押しつけようという考えがムカつくわ!!」

「あははは、すみません…でも本当に責任は感じているんですよ、長い時間をさかせてしまったので…」

「責任を感じる必要はそれこそないわよ…ただ、せめてこちらに戻って来てくれたら…時々こうして会ってくれたら、それだけでいいのよ…」

自分で言ってしまった事にハッとしたのか、綾子さんはあわてて口をおさえた。顔は先程よりさらに真っ赤だ。

「今のはなし、なし、なし!聞こえなかったわよね?!」

「ええ、はい…何も…聞こえませんでした…はい」

笑いをこらえながら返事をする…自分、けっこう綾子さん好みなんですよね…とか思わず言ってしまいそうになる。でもそれは口にしては、いけない事…

当時、もしその気持ちに気付く事が出来たら、何かが変わっていたのだろうか…?

あなたが想うように想えないのがとても残念です…綾子さん、せめてどうぞ誰よりも、どうぞお幸せに…