告白の時間

「お疲れ様でした。今回は本当に来て頂いて助かりました」

榊さんが社長室に戻ると、深々と頭を下げた。

「お役に立てて幸いです。何とかなって良かったです」

榊さんと向かい合わせのソファーに腰かけると、大きな窓から西陽が差し込んでいて、部屋は安堵に包まれていた。

「初めてとは思えないほど、みごとでしたよ」

「基本は昔と変わらない要領でしたけどね…でも勉強した事が裏付けになったりして、面白かったです」

「我が社はいつでも静時君を迎える用意がありますので、覚えていて下さいね」

「分かりました…」

「ところで静時君、いつお帰えりになる予定ですか?」

「そうですね…お休みをもらったのが一週間なので、明日にでものんびり帰ろうと思います」

「そうですか、ではこれから夕食を一緒にどうですか?お店の予約を取ってあるんですよ、実は…」

榊さんが疲れているせいか、ぎこちなく笑った。

「ありがとうございます。では、ご一緒させて頂きます」

榊さんがほっと胸をなで下ろすと「それは良かった」と、とても小さな声で呟いた。


そのレストランまでは、榊さんの専属運転手が運転するベンツが運んでくれた。