「ああ…よくよく調べてみると、どうも軌道がズレたのが高校時代ではなく、小学六年生の時までさかのぼった所で見つかった」

「それって…」

「ああ…鳴海が雪村さえ(残像思念)と初めて会った時だ…どう責任を取ってくれるつもりだ…せっかくあの世でのんびり過ごすつもりだったのに…軌道のズレが気になって気になって…」

ぶつぶつと小学生のかわいい女の子が、ぼやいている…

「そこで日下部君は、あわてて千歳の近くに転生して来たというわけか…で、自分に会いに来た理由は何?」

やっとこの話の核心に、たどり着く。

「軌道がズレた原因が鳴海にあると判明した。千歳の守護者達からの伝言もふくめて、鳴海に頼みたい事がある…」

「…」

「千歳さつきの前から消えて欲しい…」

話しの流れから、なんとなく意図する所は分かっていた。しかし言葉でいざ言われてみると、結構くるものがある…

「…なるほど…本当にそれで軌道修正できるという保証は?」

「この間…千歳が本来、結婚するハズだった音楽家に会った」

「それって、まさか花園?」

「ああ…花園がまだ千歳の近くにいるという事は、まだ修正が間に合うという事だ…」

「なるほど…でもこの前いろいろあって、千歳は花園のプロポーズを断っちゃったけど?」

「なんだと!?」