外では父さんが待っていた。急かすように車のクラクションを鳴らされた。
父「ほら乗れ。駅まで乗っけてってやるから」
幸「おう」
助手席に乗った。玄関では母さんが仁王立ちで立っている。手を振っといた。車はゆっくりと動き出した。
だんだんスピードは速くなる。多分これ100ぐらいあるんじゃね。やばくね。
幸「父さん速くね?周りの車どんどん抜かしてるけど」
父「これが普通だろ。周りが遅いだけだ」
果たして本当にそうだろうか。まっ、速いほうがテンション上がるしいいんだけどな。かかっている洋楽の音量を大きくした。ひゃふー。
母さんの運転なら15分かかる道を父さんは8分ほどで着いてしまった。父さんやっぱりスピード出し過ぎたなこりゃ。
父「気をつけて行ってこいよ。帰ってきたくなりゃ、いつでも帰ってこい。白飯用意しといてやる」
幸「さんきゅ。そんじゃ、もう行くから」
父「喧嘩は程々になー」
あったりめーよ。なんたってあっしの夢はモテることだからな。
父さんに手を振り、あっしは駅のホームへと向かった。
そういやあいつ、挨拶にも来てくれなかったな。愛弟子を頭に思い浮かべる。
このまちから出て行くことは数人にしか言っていない。色んなやつに言うと、お別れ会とかしそうだからな。
ひっそりと行くためにも、少数にしか言わなかった。そして、出て行くのは今日だと教えたのは一番の後輩、はじめだけだ。
あいつなら来てくれると思ったんだが、どうやらそれはあっしの自意識過剰だったらしい。くっそ、期待してたんだぞ呪うぞおらあ。
電車はホームで停車した。
ぷしゅーと扉が開く。
