そして見事受験は受かり、15年間住み続けたこのまちを離れる。



荷造りはできた。これから住むところは電車で2,3時間くらい。


父さんと母さんはここに留まるから、あっしはひとり生活……じゃなくて一人暮らしをするのだ。胸がバックンバックンするぜ。



幸「じゃあね、母さん。いい女になって帰ってくるから」



母「ああん?さんざん番長やっとったくせにいい女になれると思っとるんじゃないよ。
いいか?いい女っつうのは大和撫子みたいな人のことを言うんだ。幸みたいな野蛮なやつじゃないんよ。
とりあえずいい男を2,3人捕まえてから帰ってこな。それまで帰ってくんじゃねえぞ?」



さすが母さん。言うことが違うねえ。
母さんはあっしの頭を軽く撫で、鼻で笑った。



「そんじゃ、行ってこい」


「おう。女の子らしくなってくるぜ」



あっしは母さんに見送られ、家を出た。