何て、初々しい気持ちを持ったのが、ついニ~三ヶ月前のこと。

あれから私は井下先生の事をいのっちと呼ぶようになって、いのっちは私の事を華南と呼ぶようになった。

授業中、いのっちに「華南!」と名前を呼ばれるだけできゅんと鳴る胸。

ただ、私といのっちの間にニ~三ヶ月前の初々しさは、ない。

いのっちは実は優しい顔をして意地悪ってこと、分かってきちゃった。でも、そういうところも、好きなの。

ただ、初々しさが無くなった分、すごく距離が近くなった。

例えば、私に勉強を教えてくれるとき。
ちょっとテキストから顔をそらして、顔を上に向けると、すぐ近くにいのっちの優しい、大好きな顔があってすごくドキドキしてるし、触れ合う膝も、ちょっとくすぐったい。たまに、手が触れたときなんて、勉強どころじゃないの。