「数学担当の井下和憲です。これからよろしくね。」
井下先生は、首に掛けていた名札を私に見せて、爽やかに笑った。

きゅん…って、心臓が鳴った。

これって、もしかして…。

「じゃあ、早速答え合わせしてもらおうかな。はい。」
井下先生が、解答冊子を渡してくる。
「あ、ありがとうございます…。」
もー、華南!声小さい!
心の中で、自分にお説教をする。

ああ…。恋、しちゃった。