次の朝、玄関を出たら陽亮に会った。
「おはよう、陽。」
「おはよう。」
少し前を歩いていた陽亮に走って追い付く。
「旅行、楽しかった?」
とたんに陽は笑顔になる。
高校にもなって家族のコトを笑顔で話すなんてファミコンだ。なんて言う人もいるが、私はそうは思わない。
高校生で、しかも男の子なのに、素直に話せるなんて、逆に凄いと思う。
「うん、楽しかった。
乙葉が川に落ちたり、お母さんが滑ってこけたりしたんだよ。
ケガしなかったから笑い話だけど。」
陽はクックッと笑う。
乙葉は陽の妹だ。
まだ小学生で、かわいい。