「あのさぁ…。
2人とも酷いよ?」



声をかけてみるものの、



「頼む、高内。
泊まってってくれねぇ?」



聞いちゃいない…。



「わかった。
俺も心配になってきた。

俺、今から着替えとってくる。」


言うが早いか、高内は玄関に向かった。



「よかったな、穂衣。
これで泥棒来ねえよ。」



輝かんばかりの笑顔を残し、お兄ちゃんは二階に、出張の用意をしに上がっていった。



あぁ、もう。



私の意見は完全無視ですか。




残された私は怒る気力もなくつっ立っていた。