One's first love〜初恋〜

「…お前、兄貴いてよかったな。」



唐突に言われた言葉に、私は思わず聞き返した。



「え?」


「母親。
死んでも、兄貴がいるから寂しくないだろ?」


「…うん。」



寂しくないワケではないが、お兄ちゃんがいてくれるから安心だ。



「ブラコン!」



高内はクスッと笑った。



パタパタとスリッパの音がして、お兄ちゃんが戻って来た。



「穂衣、親父の会社行ってくるわ。

パソコンがバグったらしい。」


「出張じゃないの?」


「10時の新幹線で行くって。
だから急いで行ってくる。」