「お邪魔します。」



高内は礼儀正しく挨拶し、家に上がった。



その間も私を支えながら…。



「お茶淹れるよ。」



お兄ちゃんが台所に歩いて行った。



いつもは私がやるのだが、声も出ず、高内にしがみついたままだった。



「大丈夫だ。
もう終わった。」



高内は私をソファーに座らせ、頭に手を置いた。



「…ありがとう。」



やっと声が出た。