お兄ちゃんはハアッっとため息をついて、私の頭に手を置いた。



「悪かったな。」


「謝んな、バカ兄貴。」



私の口の悪さには触れず、お兄ちゃんはポンポンと私の頭を二回叩いて、立ち上がった。



これは‘これで終わり。’の合図。



私も立ち上がり、お兄ちゃんを見上げた。



「しばらく寝とけ。」


「なんで?」


「お前、自分が一番分かってんだろ?
疲れ過ぎてんだよ。

それに、今日、親父いねーし。」


お兄ちゃんは嬉しそうに、ニヤッっと笑った。