「よし、穂衣。行くよ!」


「うん!」



私たちはやっと図書室に入った。(イヤ、正しくは入れた。かな?)



そんなに広くない図書室を見まわしてみる。



と、ふいに1人の先輩らしき男の人と目が合った。



その目は驚くほど冷たくて、鋭くて、寂しそうだった。



ドキッとして、すぐに目をそらしたけど、脳裏に焼き付いて、すぐには頭から離れなかった。



あれ?


なんかあの目、知ってる。


なんだろう?


無意識のうちに首を傾げた。








あの目は、家に帰って、ベッドに入っても、なかなか忘れられなかった。



いつ見たのか、思い出そうとしたけど、思い出せない。



そのうち、眠りに落ちていった。