「あっ、思い出した!」



高内は腕を緩めて私を見た。



「何を?」


「私、高内を見た時、なんか見たコトあるって思ったんだよね。
お父さんの会社で会ったんだ!」



高内はハッとして、私を見る。



「俺も思い出した!
10年以上前だろ?
俺の親父の主催したパーティーで、確かお前、1人で座ってたんだよな!」